〜前回までのあらすじ〜
古代ライルランド、かつてそこではトマトやナスの夏野菜、そしてニンニクなどの冬越えの作物との二毛作が盛んに行われていた。
だが、ある日を境に畑は放置され、以降荒地と化していた。
「一体何が…」
「ライルよ、お主が生まれるずっと前のことじゃった。畑では沢山の
「えっ?それじゃこまめは?」
「バーサーカーとなったこまめはアイドリングする事なしにひたすらフルパワーで畑を荒らし、
「そ、そんなっ!」
「それ以来、こまめに触ろうとする者は居なくなったのじゃ。そしてその呪いは未だに解けてはおらぬ」
「おのれぇぇ、これは帝国軍とファデュイの仕業に違いないっ!とにかくこの邪悪な呪いを解かないとっ!」(`・ω・´) シャキーン
バーサーカーの恐怖
さてそのエンジンの調子の悪い耕運機を治そうと、何度もキャプ掃除やらプラグ交換やらしてるんだけどさっぱり直らない。
「だってこの子、スターター引くとスロットル全開で動き出すもんだもん。フルパワーで戻るスターターは凶器以外の何者でもなくて、何度アザを作ったことか…」(´・ω・`)ショボーン
怖いっ、ガクガクブルブル
しかも、耕運機の爪ももちろんフル回転するもんだから、危なくてエンジンの始動ができない始末。
「この虎に鈴をつける状況をどうすれば…。はっ、ライル閃きましたっ!凶器の爪を外してしまえばいいのではっ!」
>何故それに気づかなかった!<
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
本来はピンで止まってるはずが、ボルト止めに換装されらしく錆びついたボルトをCRCで何とか動かしてと。
それをポンチで抜く。
「はっ!グニャグニャやんけっ!」
こっちの爪はオリジナルっぽい。
どのみちシャフトが錆びて噛んじゃってるからCRCのオイリーブレスで溶かしてと。
やっと抜けた。
ガバナー
さて、この何年か、いや何十年もの間、この謎のバーサクフルスロットル病に犯されたエンジンに手を焼いてきたのだが、遂にこの呪いの原因が分かったのだっ!
「えっ!」
「その呪いとは…」
「ゴクリっ」
この左に伸びてるアームがガバナーアームと言うらしいんだけど、どうも耕運の負荷でエンジン回転が落ちた時にアクセルを吹かす方にバランス取るための機構らしいのね。
「これが帝国軍の裏工作により狂ったことで、アイドリングがフルスロットルバーサーカーになると見たっ!」
でこのセンターシャフトを右いっぱいに回して
ロッドで繋がってるアクセルを全開の4mm手前になるようにリンクさせた状態でガバナーアームをシャフトに固定するんだと。
そしてこれがアイドリング状態のアクセル。
始動前のアクセルはフリーに動くのでいいらしい。
とここまでの機構を理解するのに、ライルランド科学アカデミーの頭脳も持ってして数百年掛かりましたっ!
バーサクさえ回避できれば、勝機はあるっ!
「ここで白魔法だっ!エスナっ!」
念入りにキャプ掃除してと。
フィルターも異世界召喚しておいた。
一応静かに動くんだけど、どうも吹かした時に波打つな…さらなるガバナー調整かっ!
そうこうしてたら、土中の木屑地雷を噛んで、また呪われたバーサク状態に舞い戻ってしまった。
「ま、まずいっ!」
さらに仮で固定してた爪のボルトが折れおった。
「ぐぬぬっ!母なる大地の底知れぬパワーがアぁぁぁー…♪」
「だけどおかげで分かったことがある。耕運爪がガバナーナットの締め付け以上の負荷噛んだ時にガバナーが狂うのかっ!」
「なんとっ!」
「謎は全て解けたっ!犯人はこのガバナーを狂わせる石を畑に撒いた人物。つまりは帝国軍とファデュイの工作員だっ!」
そしてまたガバナー調整やり直しなんですけど…
そして遂にこまめがご機嫌に動いたっ!
おおお、何という大いなる力。
「ついで刃もグラインダーで研いでおいたのだっ!」(`・ω・´) シャキーン
「この子、出来るっ!」
ライルはガバナー調整Lv.1のスキルを手に入れた!