〜前回までのあらすじ〜
遂に八角窓を組み込み、外装の仕上げ工程に入るかと思われたプレハブツリーハウス。
だが地球温暖化の影響はここライルランドにも及んでおり、もはや屋外は作業どころか、人類の生存に適さない連日の超多湿亜空間なのだった!
御前会議
「ライルよ、一体ツリーハウス建設はどうなっているのだっ!」
「そ、それが…もじもじ…酷暑が暑すぎて」
> 酷暑が暑すぎ⁉︎ <
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だって!夕立ちもないし、夜も暑いし、朝イチですら作業できる状態ではないのでござるんです!
「フフフ、でもご安心をっ。この一ヶ月、単に遊び呆けていたわけでは無く、実は密かに実験を行っていたのですっ!」(`・ω・´) シャキーン
「なんとっ!」
「これが単に転がして放ってある屋根材候補!と見せかけた、屋根下地材実験場なのですねっ!(`・ω・´) エッヘン」
『なんとっ?敵味方の目を欺きつつも、ウッドデッキを使って、下地と、試験体のカナブンが経年変化でどうなるか人体実験していただと!ライル、恐ろしい子』
「そしてわかったことは…」
「ゴクリっ」
「この芝シートは完全に透水するのです。」
「ええっ!たっ、確かに」
「あのー、説明書に文句にそう書…ガハッ!」
(余計な事に気付くでないっ!)
「透水するが故に、雨は完全に下地のルーフィングだけで受ける事になるという、重大な構造的欠陥を抱えているのですっ!まんまと帝国軍の術中に嵌っていたのです!」
「あのー、説明書に文句にそう書…ガハッ!」
「まずいな。今この状況を放置していたら、敵に格好の攻撃材料を与えてしまう…何としても早急に解決策を探さねばならんっ!」
「ははっ!」
てか気づくのが遅いよっ!
秘策がっ!
「くそっ、解決の糸口が見つからない…。こうなったらカサンドラさんと一緒に古代ギリシャに秘策を探しに行くしかないっ!」
おいっ!
そして、ギリシャの果てで、ライルランド科学アカデミーが編み出した秘策がこれ。
「まっ、まさか、ガルバの板で板金屋根」
「では芝はっ?」
「ふふふっ、実は完成予想図ももうできているんですよ…」
「つまり二重構造にして、屋根の上に飾りの芝を敷くという二段構成なのです。」
こっ、これならいけるっ!重そうだけど…
その買ってきた鉄板を丸めて入り口に刺しておいたら、なんか砲台みたいになってきた。
「しまった!安全対策の46cm砲をつけるべきだった…」
なんか物騒なツリーハウスだなぁ。
樹上スペース
こうして、ひと月ほど計画が頓挫してるあいだに、樹上はいつしかモッサモサでスペースがなくなってきており…
下から見上げるとこんなジャングル。
もちろん下界は、ジャングル完全版。
「ぐぬぬ、ここはかつて線路敷こうかと思って盛り土したり、剪定枝が不用意に転がってたりしてるから芝刈機が入らないの…」
「しかもこの辺にクレマチスと、ダリア植えた気がするんだけど、どこ行ったんだ?ま、まさか帝国軍の極悪つる植物に呑まれたかっ…くそっ!」