その日も緊急通報システムが鳴り響いた!
「ライル大変!外水栓が二つ全て凍結大破!石窯の方は元栓止めたけど、黄色い方も水漏れてるっ!」
「な、なにー!」
ボクんちには外水栓が二つあって、黄色っていうのは塩ビパイプでつくった消火栓タイプの自作品なのね。凍結防止に発泡材充填したはずなのに…
とにかく大元の元栓止めて、水使わないよう伝えたら、仕事早退しての水道修理クエスト発動!
てか仕事中やめてぉ…(´・_・`)
しかもそれは、夕方までの緊急時限クエストなのね。
なにせ元栓完全に止めたから、トイレもお風呂も全部ストップしたままだし、また夜は冷え込むらしいし…
「とにかく急いでなんとかしないとっ!」
でもねこの水栓。消火栓型の中に水道管と、バルブ回すギミック仕込んだもんだから、構造上分解不可能なのね。そして土台は倒れないようにコンクリで固めてあるの。
さらに分岐に元栓つけてないというノーガード戦法が売りなのだ。
「がはっ、男らしさが裏目にっ!」
本体内部は時間的にどうにもできないから、この際諦め、地中の水道管掘り出して一度バッサリ切って、本管接続側にキャップを接着して一時止水する作戦に変更。
皆が帰ってくる、タイムリミットまであと一時間じゃないか!
「い、行けるのかっ?」
で急いで穴掘って、水道管切ったら
「ぎゃー、止水栓少し開いたんだった!」
またずぶ濡れになりながら、きった元側にキャップ接着して、埋め戻したのが昨日の事件。流石に緊急過ぎて写真とる余裕なかった(´・_・`)
そして時は過ぎ、今朝の早朝。
「さて、早起きして薪ストーブにお湯湧かしたし、コーヒーでも入れるかなっ、って浄化水が出ない!」
そんなばかなっ?ライル、落ち着いて考えるんだ!昨日緊急非常措置はしたはず。
「えー、でも風呂から洗面所から全部止まってる…ま、まさかっ!」
実は思い当たる節があってね、昨日の騒ぎで元栓の外蓋を閉めた記憶がない気がないのよ!(´・_・`)
寒い中確認しに行くと!
「こ、こいつはっ?元栓のバルブまで完全に凍りついてやがる…」
ぐぬぬ。困った…
とにかく熱湯をかけては破裂するからダメで、タオルかけてぬるま湯でゆっくり溶かすのがいいらしい。
そしてそこらにあったウェス巻いて、昨日の風呂の残り湯を手桶で運ぶ、まさかの早朝クエスト発生。
そして、元栓側が最後に溶けるように、家側からぬるま湯で溶かしていっての、息の白い霜の朝に30分の水を使った大格闘。
「シュルシュル」
お、なんか通り始めた音がするっ!
「なんまんだぶ、なんまんだぶ、そしてアーメン」
いけるかな
「よし、バルブ解放!いっけー!」
で、出たー。一気に出た。(`・ω・´) シャキーン
それにしても昨年から水難の相が酷い。年末おみくじ引いた時は大吉だったのにな(´・ω・`)ショボーン
そして日が昇ったら、問題の手作り消火栓本体の現場検証だっ!
ボルトはずすと、トップがとれる。
ここには接合用に板が貼ってあるので、ここは開腹手術するしかあるまい。パイプの径に合わせてジグソーで丸く穴をあけてと。
この中にはバルブ本体と凍結防止の発泡剤が充填してあるのね。いまは水道管とは接続外してある状態なので水は来てない。
「げ、なんじゃこの氷はっ!」
やはり内部のどこかで漏れてる。接着不良かな…
漏れてる箇所がわからないし、諦めて発泡ウレタンをドリルで掘ってみよう。
「なんだ、この空洞は!多分原因は充填不足によるこの空洞のせいか。一番肝心な所なのに…」
邪魔になるバルブのとってはナット外せばとれるから、外して削ってもぎ取って。
正面からも水道管周りに充填されてる氷入りピンクの発泡材削ってたら、なんだか真冬のかき氷屋気分。
多分イチゴ味って、ほっとけ!
こんな長いラジオペンチのお化けがあったので、これでほじっていこう。
うむむ、地味作業過ぎて先が見えないよ。どうしよう。
散水栓は諦めて、単なる消火栓型のガーデンオブジェにすれば良いんだけど、それじゃつまらないし…